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Will Forward Consulting株式会社

資金繰り予測をAIで行う方法|確定・予定・仮定を分ける実務手順

事例紹介
年度末までの入出金予定をAIが整理し、財務コンサルタントが確認する様子を表したAI生成イメージ。

資金繰り予測で大切なのは、AIに将来の残高を「当ててもらう」ことではありません。入金と支払いの予定を整理し、何が確定していて、何がまだ変わり得るのかを分け、実績との差を更新し続けることです。

Will Forward Consulting株式会社では、資金繰りの見通しを作る際、基本的にその年度の終わりまでを対象にします。売掛金の入金時期、買掛金の支払時期、税金、銀行返済などをヒアリングし、およその年間スケジュールを組みます。少なくとも毎月1回更新し、記帳時に予測と実績のずれを人の目で確認します。

この記事では、資金繰り予測に必要な情報、確定・予定・仮定の分け方、AIが支援できる部分と人が確認する部分を整理します。

資金繰り予測は「現金がいつ動くか」を見る

損益計算書の売上や利益と、実際の現金の動く時期は一致しないことがあります。売上を計上しても入金が翌月以降なら、その時点の手元資金は増えません。借入金の元金返済や設備購入も、損益だけでは把握しにくい現金の動きです。

日本政策金融公庫の解説は、資金繰り表を「実際のお金がいつ動くか」を見る資料として説明し、売掛金の回収、買掛金の支払い、設備投資、借入・返済などを月次で整理する記入例を公開しています。

資金繰り予測は、将来を断定する表ではありません。予定された入出金を並べ、残高が低くなる時期や確認が必要な前提を早めに見つけるための判断材料です。

Will Forward Consulting株式会社では年度末までを見通す

Will Forward Consulting株式会社の実務では

基本的に現在の事業年度の終わりまでを見通し、少なくとも毎月1回更新します。記帳時に予測と実績の差を人の目で確認し、必要に応じて追加ヒアリングを行って修正します。

予測期間は会社や目的によって変わります。当社の考え方は、常に「向こう12か月」を予測するという意味ではなく、現在の事業年度の残り期間を対象にするものです。予測を作ったままにせず、実績が加わるたびに前提を更新します。

仕訳帳だけでは将来の入出金日を決められない

仕訳帳があれば、これまでの取引や実績のおよその動きを把握できます。しかし、将来の入出金時期がすべて仕訳帳だけで分かるわけではありません。

確認する情報主な確認内容
売掛金金額、入金予定日、遅れる可能性
買掛金・外注費金額、支払期限、支払条件
税金・社会保険税目、支払時期、概算額
借入金融資実行予定、元金・利息の返済日
給与・固定費支払日、毎月の金額、変動予定
設備投資・臨時支出実施時期、支払条件、延期の可能性

当社では、売掛金の入金時期、買掛金の支払時期、税金の支払時期、銀行への返済期限などをヒアリングし、スケジュールに反映します。仕訳帳は実績を理解する材料、ヒアリングは将来の予定と変化を補う材料として使い分けます。

確定・予定・仮定を分ける

AIに表を渡す前に、将来の数字や日付を次の3つに分けると、前提を確認しやすくなります。

区分例更新時に確認すること
確定契約・請求書・返済予定表で日付と金額が確認できる入出金元資料との一致
予定取引先との通常条件や社内計画に基づく入出金日付・金額に変更がないか
仮定受注見込み、交渉中の支払い、未確定の投資採用した根拠と慎重なケースでの影響

同じ表の数字でも、確定した請求と受注見込みでは信頼度が異なります。区分を残すことで、残高の計算だけでなく「どの前提を確認すべきか」が見えるようになります。

AIに任せること、人が確認すること

ChatGPTのデータ分析機能では、表計算ファイルなどを読み込み、集計、表やグラフの作成、傾向や外れ値の確認ができます。資金繰り予測では、AIを次のような整理作業に使えます。

  • 入出金予定を月別に並べる
  • 確定・予定・仮定の区分漏れを確認する
  • 標準ケースと慎重なケースの表を作る
  • 残高が大きく変化する月と、その原因候補を挙げる
  • 予測と実績の差を一覧にする

一方、入金日が本当に確定しているか、税額や返済額が正しいか、取引先事情で予定が変わっていないかは、人が元資料とヒアリングで確認する必要があります。OpenAIも、データ分析の結果を利用する前に、生成されたコード、出力、前提を確認するよう案内しています。

AIは予測精度を保証するものではなく、整理と確認の補助です。 資金調達、支払時期の変更、投資の実行などの判断は、最新の事実を確認したうえで経営者と関係者が行います。

資金繰り予測を更新する5段階

  1. 実績と確定情報をそろえる
    仕訳帳、通帳、請求書、返済予定表などを確認します。
  2. 将来の日付をヒアリングする
    売掛金・買掛金、税金、返済期限、臨時支出を確認します。
  3. 年度末まで区分する
    入出金を確定・予定・仮定に分け、月別に並べます。
  4. AIで整理する
    表を整え、シナリオ案や確認が必要な月を出します。
  5. 人が予実差を直す
    記帳時に実績と照合し、追加ヒアリングで修正します。
仕訳帳などの資料確認、入出金日のヒアリング、予定整理、AIによる区分、人による予実確認の5段階を表したAI生成概念図。
図:資金繰り予測を毎月更新する流れ。特定企業の実績、実際の顧客データ、ソフトウェア画面ではなく、AIで生成した概念イメージです。

予測と実績がずれたときの確認順序

ずれが出た場合、すぐにAIで数字を作り直すのではなく、まず元の取引と日付を確認します。

  1. 記帳した金額・日付と通帳や証憑が合っているか。
  2. 売掛金の入金、買掛金の支払いが予定どおりだったか。
  3. 税金、返済、設備投資などを予定表に入れ忘れていないか。
  4. 受注見込みや未確定支出など、仮定が変わっていないか。
  5. ヒアリング内容を更新し、以後の残高を再計算する。

Will Forward Consulting株式会社の実務では

記帳時に人の目でずれを確認し、必要な事項をあらためてヒアリングして修正します。差異は予測の失敗として終わらせず、次回の前提を更新する材料にします。

資金繰り予測で避けたいこと

  • 仕訳帳の過去実績だけで将来の日付まで分かると考える
  • 未確定の売上や融資を確定入金として扱う
  • AIが出した残高やシナリオを元資料と照合しない
  • 一度作った予測を年度末まで更新しない
  • 数字だけを見て、取引先や現場の変化をヒアリングしない

資金繰り予測は、細かい数字を作ること自体が目的ではありません。判断に必要な時期と金額を見通し、変化があれば前提を直せる運用にすることが重要です。

まとめ

AIを使った資金繰り予測は、将来を自動で当てる仕組みではありません。確定・予定・仮定を分け、年度末までの入出金を整理し、少なくとも毎月1回、実績との差を人が確認して直すための支援です。

基礎となる表の作り方は資金繰り表をAIで自動化する方法、財務情報全体の整え方は中小企業の財務DXは何から始める?、実績分析はAIで財務分析する方法もご覧ください。

AIを使った資金繰りの整理を相談したい方へ

自社では何を確定・予定・仮定に分ければよいか、年度末までの資金予定をどう整理するか、AIの結果を人がどう確認するかを相談したい方は、Will Forward Consulting株式会社へお問い合わせください。

著者:三輪 宜伯

Will Forward Consulting株式会社 コンサルタント/中小企業診断士

財務・業務改善の視点から、経営に必要な情報の整理と、AIを使った実務改善に取り組む。AIに整理や候補提示を任せながら、事実確認と経営判断は人が担う運用を進めている。

参考資料

公式資料は2026年10月1日に確認しました。制度・製品機能は変更される場合があります。

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