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Will Forward Consulting株式会社

ヒューマン・イン・ザ・ループとは?AIによって会社が回り始める仕組み

研修・講演
人が方向を決め、AIが実務をつなぐ。Willie.dotと、準備・実行・人が確認・改善の循環を描いた図

AIで文章をつくる。会議の議事録をまとめる。Excelの数字を集計する。

一つひとつの作業にAIを使い始めた、その先にあるのが「会社の仕事の流れにAIを組み込む」という取り組みです。そのとき、AIにどこまで任せ、どこで人が確認すればよいのでしょうか。

この記事では、ヒューマン・イン・ザ・ループの意味から、新人・中堅・課長・組織化の例え、実際の業務フローまでを紹介します。Will Forward Consulting(WFC)が目指す「AIによって、会社が回り始める」姿を、人とAIの役割分担から考えていきます。

そもそもヒューマン・イン・ザ・ループとは?

ヒューマン・イン・ザ・ループ(Human-in-the-Loop/HITL)とは、AIの学習や業務の処理に、人の確認・修正・判断を組み込む仕組みです。 AIが出した案に対して、人が直す・止める・進めるといった判断を行い、その判断を次の処理に反映します。IBMのHITL解説

例えば、AIが見積案をつくり、社長が金額や条件を確認する。修正があればAIに戻し、承認を得た内容を担当者が提出する。このように、AIが進める仕事の中に、人が判断する場面を設けます。

人が関わるのは最後だけとは限りません。途中で情報が足りない、通常の条件を外れるといった場合にも、処理を止めて人に確認するようにします。「誰が、どのタイミングで、何を確認するか」を、仕事の手順として決めておくことが大切です。

確認する人や任せる範囲は、業務に合わせて決めます。この記事では、担当者が事実確認を行い、社長が重要な判断と最終承認を担う業務例で考えます。まずは、新人に仕事を任せていく場面に重ねてみましょう。

新人に仕事を任せるように、AIに任せる仕組みを整える

一人の新人が入社し、中堅になり、課長として部下をまとめ、やがて組織で仕事を回していく。そんな会社の姿を思い浮かべてください。

その人が任される仕事は、周囲から何を教わり、何を使えて、どこまで判断してよいかによって変わります。AIへの仕事の任せ方も、この姿に重ねて考えられます。

1.新人(プロンプトエンジニアリング):教わった手順で、一つの仕事を進める

入社したばかりの新人は、社長から「今日の商談記録を読んで、お客様の要望と、決まったことをまとめて」と頼まれます。「この書式でよいですか」と確かめ、教わった手順に沿って資料をつくり、「できました。確認をお願いします」と社長に見せます。まだ会社の事情に詳しくなくても、具体的な指示があれば、一つの仕事を進められます。

AIでいえば、何を、どのような形で仕上げてほしいかを伝えるプロンプトに当たります。

2.中堅(コンテキストエンジニアリング):会社やお客様の事情を踏まえて動く

中堅になった社員は、同じ商談記録を読んでも、その先を考えます。「このお客様は前回も納期を気にされていた。今回も先に確認しておこう」。過去のやり取りや商品資料を調べ、製造担当に入荷予定を聞きます。社長には「この条件なら対応できそうです。ただ、この点は判断をお願いします」と、背景も添えて相談します。

AIにも、こうした判断の材料となる社内資料や過去のやり取りを参照できるようにします。必要な背景情報を渡すコンテキストの考え方です。Anthropicのコンテキスト設計解説

3.課長(ハーネスエンジニアリング):人と道具を使い、仕事全体を進める

課長になった社員は、自分一人で資料を仕上げるだけではありません。「営業担当はお客様の条件を整理して、製造担当は納期を確認してください」と仕事を分担します。会社のシステムを使い、進み具合を確かめ、必要な資料をそろえる。通常と違う値引きが必要なら、「この理由で、この条件を提案したいです」と社長に確認し、承認を得てから進めます。

AIでいえば、使える道具、権限、仕事の手順、社長に確認する条件を整える部分がハーネスです。必要に応じて複数のAIに作業を分担させることもあります。Anthropicのハーネス設計解説

4.組織化(ループエンジニアリング):結果を振り返り、次の仕事をよくする

仕事が組織で回るようになると、社員たちは提出して終わりにはしません。「今回は納期の確認が遅れて、見積をつくり直しました。次からは最初に入荷予定を確認しませんか」。担当者が結果を持ち寄り、課長が改善案をまとめ、社長に確認します。承認された内容をチェック表や手順書に残すことで、次の担当者も同じ教訓を使えます。

AIにも結果の整理や改善案づくりを任せ、社長が承認した変更を次の仕事に反映します。この実行・評価・改善の循環がループです。

この四つは、AIへの任せ方を人の成長に重ねた例えです。AIが経験だけで自然に育つという意味ではありません。実際に使う資料、権限、システム連携、確認の手順を整え、結果を確かめながら任せる範囲を広げていきます。

社長が担うのは、目的・例外の判断・最終承認

社員が課長になっても、会社の方針を変える判断や、大きな値引きが必要な場面では、社長に確認します。仕事を任せられるようになるほど、「何を準備し、どの判断を社長に仰ぐか」が明確になります。

この記事では、AIも同じように、重要事項・例外への対応・最終承認を社長に確認する形で考えます。

  • 始める前: 社長が目的、判断基準、任せる範囲を決める。
  • 進める途中: 担当者が不足する事実を確認し、重要事項や例外は、判断材料をそろえて社長に相談する。
  • 実行・提出の前: 社長が根拠と内容を確認し、最終承認する。

例えば、「納期を裏付ける情報がない」「通常の価格条件を外れる」「お客様の要望と仕様書が食い違う」ときには、AIが確認点を整理します。担当者は顧客や現場で事実を確かめ、条件の変更や例外対応が必要なら社長に判断を仰ぎます。途中で人に戻る条件を設ける考え方は、AIエージェントの設計でも示されています。AnthropicのAIエージェント設計解説

社長には、案だけでなく、根拠となる資料、未確認の点、選べる対応を一緒に示します。社長が「ここを直して」「この条件では進めないで」と指示できるところまで、仕事の流れに組み込みます。

商談から見積、振り返りまでをつなぐとどうなるか

次は、必要な資料・権限・システム連携を整えた場合の業務設計例です。特定のお客様の導入実績を示すものではありません。

商談から見積、振り返りまでの業務設計例
① 社長:目的と判断基準を決める
② AI:商談記録を整理要望・不足情報・次の行動を抽出
③ AI:社内資料と照合提案・見積の案を作成
不足情報や例外条件がある?
ある → 担当者が事実を確認顧客や現場に確認し、重要事項・例外は社長の判断を仰ぐ↩ 確認した情報を渡し、③の案を作り直す
ない → ④へ進む根拠と内容を社長に確認する
④ 社長:根拠と内容を確認提出してよいか最終判断
修正が必要 → AIへ戻す修正内容と理由を伝える↩ ③で修正し、④で再確認
承認 → ⑤へ進む承認した内容で提出する
⑤ 担当者:社長が承認した内容で提出
⑥ 担当者:実際の結果を記録AI:振り返りと改善案を整理
⑦ 社長:基準の変更を承認担当者:次回使う資料を更新
↩ 更新した資料を次の案件で使い、②から仕事を進める

商談が終わったら、AIが記録から要望と確認事項を整理する。その情報と社内資料を使って、提案や見積の準備を進める。納期の裏付けが足りなければ、担当者が製造担当に確認する。通常の条件を変える必要があれば、理由と対応案をそろえて社長に相談します。

提出前には、社長が元の記録や資料と案を照合し、誤りがあれば理由を添えて修正を戻します。修正した案を再確認し、社長の最終承認を得てから提出します。

提出後は、お客様の反応や受注・失注の結果を記録します。AIの評価が高かった提案でも、実際の結果と照らして、何を確かめる必要があったかを振り返ります。失注したという結果だけで、原因を決めつけることはしません。

このように、一つの仕事で整理した情報を、次の仕事で使えるようにつなぎます。社員は確認すべき点と次の行動を把握しやすくなり、社長には判断に必要な材料が届く。これが「会社の仕事の流れにAIを組み込む」ということです。

人の修正を、次の仕事で使える会社の知識にする

見積案を見た社長が、「この納期は、材料の入荷予定を確かめてから回答しよう」と修正したとします。

その理由を残し、「この材料を使う案件は、入荷予定を確認する」という項目をチェック表に追加する。次の案件では、AIが確認記録の有無を調べ、不足していれば担当者へ知らせるようにします。

一度の指摘が、次の案件で使える判断基準になります。

社長に確認したうえで、担当者がチェック表や参照資料を更新します。保存先、更新担当、次回の参照方法まで決めます。AIに一度訂正を伝えるだけで、社内全員のAIやAIモデル自体が自動的に学習するという意味ではありません。

この考え方は、WFCがこれまで紹介してきた暗黙知をAIで共有する進め方や、社長の判断基準を実際の結果から改善する方法につながっています。

WFCは、実際の仕事でAIが動くところまで一緒に整えます

WFCのAI導入・活用支援では、報告書の作成や転記、数字の集計・可視化、社長やベテランの判断基準の共有など、実際の業務を出発点にします。

取り組む仕事を選び、必要な情報を整理し、人とAIの分担を決める。社長に確認する場面と、その判断に必要な資料も明確にする。そして、担当者と実際の資料で試し、使い方と確認手順を整えます。

一緒に整えること具体的な内容
最初に取り組む業務作業の回数・時間・確認待ちを整理し、対象を選ぶ
AIへ渡す情報と基準入力する情報、参照する資料、社長に確認した判断基準を決める
作成・集計・確認の仕組み報告書の下書き、集計表、ダッシュボード、チェックの手順を業務に合わせて整える
現場で続けるための運用実資料で試し、社長への確認・承認も含め、操作・確認・更新の手順を残す

例えば、営業であれば、商談記録から提案の準備や見積確認へ。管理業務であれば、日報から月次報告や数字の集計へ。どの情報を次の工程へ渡すかまで、実際の業務に合わせて検討します。

WFCがこれまで取り組んできた財務の視点も活かします。数字を集めた後に、どの変化を確認し、経営として何を判断するのか。財務分析へのAI活用でも、AIの候補を実データで確かめ、判断につなげることを重視しています。

導入後は、元資料の準備から確認までにかかる時間や、手戻りの内容を振り返ります。支援する業務・回数・期間・費用は、現状と目指す姿を伺ったうえで個別に決めます。

AIによって、会社が回り始めます

WFCが目指すのは、AIが実務を進め、社長が方向・重要な判断・最終承認を担い、その結果が次の仕事に活かされる会社です。

社長やベテランの経験が、社員の判断を支える。日々の記録が、次の提案や経営判断の材料になる。確認や修正のたびに、会社で使える知識が増えていく。

その循環を、一つの業務からつくっていきます。

「見積を確認するとき、社長が一から資料を探している」
「数字を集めるだけで、毎月時間がかかっている」
「AIは使い始めたが、日々の業務につながっていない」

まずは、気になっている仕事を一つ、お聞かせください。AIに任せる作業、社長に確認する場面、次の業務へのつなぎ方を一緒に整理します。

自社の仕事をAIで回す仕組みについて、WFCに相談する

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